「ピースボートは最悪って本当?」
「ピースボートで後悔したって人がいるのはなぜ?そんなにヤバいの?」
「最悪だったって、何がそんなに問題なの?」
そんな疑問や不安を抱えて「ピースボート 最悪」や「ピースボート 後悔」などで検索した人も多いのではないでしょうか。ピースボートに興味があっても、ネットでネガティブな評判を目にすると不安になりますよね。
世界一周クルーズという言葉に惹かれる一方で、「やめとけばよかった」「想像と違った」という声を見かけると一歩踏み出すのが怖くなります。
実際、ピースボートには賛否があり、期待とのギャップに戸惑ったり不満を持つ人も一定数います。しかしその一方で、「人生最高の経験だった」と語る参加者も多く存在します。
結論から言えば、ピースボートを「最悪」と感じるか、「参加して良かった」と思えるかは、事前の情報収集と心構えで大きく変わります。誤解や理想化が原因で後悔する人がいるのも事実です。
この記事では、ピースボートが「最悪」と言われてしまう理由や、実際に後悔した人の体験談をもとに、注意すべきポイントや参加前に考えておくべきことを、クルーズ旅行や海外バックパッカーとしての経験も豊富な筆者が、リアルな視点で丁寧に解説していきます。
ピースボートは最悪?後悔する理由とは?期待と現実のギャップ
ピースボートは、「格安で世界一周できる」「新しい価値観に出会える」と話題のクルーズ旅行ですが、一方で「最悪だった」「もう乗らない」「正直後悔した」という声も少なからずあります。
このような評価の二極化は、旅への期待値と実際の体験との“ギャップ”から生じていることが多いと考えられます。
ここでは、後悔につながりやすい代表的な理由について、具体的にご紹介していきます。
ピースボートは最悪?後悔の理由①思ったより費用が掛かった
ピースボートというと「世界一周99万円!」といったインパクトのあるキャッチコピーが頭をよぎる人も多いでしょう。この価格帯で数十カ国を巡ることができるのは、他のクルーズと比較しても破格の設定です。
実際、そのキャッチコピーを見て「意外と手が届くかも」と興味を持った人も多いはずです。しかし、乗船経験者の中には、「思った以上にお金がかかった」という声もあります。
まず、基本料金には含まれない費用が多くあります。寄港地での観光ツアー、各種保険、燃油サーチャージ、寄港税、チップ、そして船内での飲み物や嗜好品の購入費用など。これらはすべて“別途”であり、積もるとかなりの金額になります。
特に大きな出費として挙げられるのが、寄港地でのオプショナルツアー代です。
ピースボートでは、各寄港地で観光や体験を楽しめるさまざまな現地ツアーが用意されていますが、これがなかなかのお値段。例えば、半日観光でも1万円を超えるものが多く、1日コースであれば2〜3万円程度のツアーも珍しくありません。内容の割に割高に感じるという声も多く、一般的な旅行会社の現地ツアーと比べてコスパに疑問を感じる参加者もいます。
しかも、複数の寄港地でツアーを申し込んだ場合、費用はあっという間に10万〜20万円を超えていきます。さらに現地での食事代や買い物、交通費なども重なるため、“毎回少しずつの出費”が積もり積もって、最終的に想定以上の金額に膨れ上がるのです。
また、船内のWi-Fi利用料、ドリンク類、洗濯サービスなどもすべてオプション料金で、意外と細かい出費がかさみます。「気づいたら20万円以上追加で使っていた」という人もいます。
もちろん、最安プランのまま過ごすことも可能ですが、実際には「旅をより楽しみたい」と思えば思うほど、追加費用が発生しやすい仕組みになっています。
つまり、価格面の“安さ”に惹かれて参加した人ほど、現実とのギャップで後悔しやすい傾向にあるのです。事前に何が含まれていて何がオプションなのかをきちんと確認しておくことが、後悔を防ぐためには不可欠です。
広告の“最低価格”に惹かれて参加した人ほど、「聞いてた金額と全然違う…」と後悔するリスクが高まりやすいので、あらかじめ「追加費用も込みで予算を立てる」ことが、後悔しないための第一歩です。
ピースボートは最悪?後悔の理由②人間関係に疲れる人もいる
ピースボートの特徴のひとつが、乗船者同士の“濃い交流”です。知らない人との共同生活、毎日の食事やイベント、語らいの場などを通じて、新しい人間関係が築けるのは醍醐味でもあります。
ですが、それがすべての人にとってポジティブな体験になるとは限りません。特にストレスになりやすいのが、相部屋制度です。
エコノミークラスの最安プランでは、知らない人と2人〜4人で同室になります。相手の生活リズムや性格、衛生観念、音・匂いの感覚などが合わない場合、そのストレスは日々蓄積されていきます。
「ルームメイトが毎晩オンライン通話していて眠れなかった」
「趣味も価値観も違って会話に疲れた」
「1人になれる場所がないのが本当にしんどかった」
…といった声は、実際の体験談でもよく見られます。
また、船内は“逃げ場のない空間”でもあるため、気の合わない人間関係に巻き込まれた場合、距離を取りにくいのも特徴。小さなトラブルや誤解が大きなストレスになることもあります。
人付き合いが得意な人でも、数ヶ月という長期の集団生活においては疲労が溜まりやすいもの。逆に、静かに過ごしたい人には、相部屋よりも個室を検討するなど、自分に合った環境選びがとても大切です。
ピースボートは最悪?後悔の理由③政治的・思想的な傾向
ピースボートは、「国際交流」「平和活動」「環境問題への関心」などをテーマに掲げたクルーズです。他の一般的な世界一周クルーズに比べて、社会的なテーマを強く打ち出していることが特徴です。
そのため、戦争・貧困・ジェンダー・核問題などに関する講演会やディスカッションの機会が多く設けられています。
一見すると知的好奇心をくすぐるプログラムではありますが、「ただ世界一周したいだけ」という人にとっては、やや重たく感じられる場面も。
実際に参加した人の中には、
「講演や活動の内容が政治色が強くて、違和感があった」
「思想的な価値観を押し付けられているように感じた」
「社会活動への関心が薄い自分には居心地が悪かった」
といった声もありました。
これは決して良し悪しの問題ではなく、“旅の目的や価値観が合うかどうか”の問題です。ピースボートのスタンスや歴史を知らずに「安いから」「面白そうだから」とだけで参加すると、思わぬギャップに戸惑う可能性があります。
逆に、平和教育や社会課題に関心がある人にとっては、これ以上ない学びと出会いの場になるでしょう。事前に“どんな船なのか”を理解しておくことで、後悔を防ぐ第一歩になります。
ピースボートは最悪?後悔の理由④自由気ままではなく意外と団体行動だった
「自由気ままな世界一周旅行」というイメージでピースボートに参加する人は多いです。
確かに寄港地をたくさん巡り、非日常な時間を過ごせる点では魅力的です。ですが、実際に乗ってみると「想像以上に団体行動が多かった」と感じるケースも少なくありません。
まず、船内生活は“閉鎖空間”であり、数百〜数千人単位の人たちが一緒に生活を送ります。そのため、安全管理や船の運航ルールにより、一定の時間や行動に制限がかかる場面が多くあります。
例えば、毎日の食事時間、清掃時間、イベントのスケジュールなどがきっちり決まっていたり、寄港地での上陸にも全体の流れに合わせた集合・解散が求められることも。
また、ピースボートでは“参加型”の雰囲気が強く、サークル活動やワークショップ、ボランティア活動への勧誘が積極的に行われます。自由参加ではあるものの、「あの人はいつも1人でいるね」「イベントに来ないね」など、無言のプレッシャーを感じるという声も。
さらに、寄港地でのオプショナルツアーを申し込んだ場合、自由行動ではなく“団体バス移動”での観光になることになります。
「好きなカフェに寄ったり、街をのんびり歩いたりできると思っていたのに…」と、自由度の低さにがっかりする人もいます。
自由な旅を期待していた人ほど、この“団体生活感”にギャップを感じ、「もっと1人で動けると思ってたのに…」と後悔してしまう可能性が高くなります。もちろん、ツアーに申し込まず寄港地では自由に楽しむこともできますので、自分のプラン次第ではありますが。
個人主義やマイペースな旅を重視する人にとっては、他の旅スタイルの方が合っているかもしれません。
ピースボートは最悪?後悔の理由⑤思っていたほど船内生活が快適じゃなかった
「クルーズ=快適な船旅」といえば、広々とした客室、美味しい食事、エンタメ設備が整った優雅な空間を想像する人も多いはずです。
しかし、ピースボートは“ラグジュアリークルーズ”とは性質が異なり、快適さを求めすぎるとがっかりすることもあります(もちろんラグジュアリー客室もありますが、多くの人はエコノミータイプを選ぶので)。
まず、エコノミータイプの相部屋は非常にコンパクトで、ベッドとわずかな荷物スペースのみ。
窓がない部屋も多く、閉塞感を感じる人が非常に多いです。また、プライバシーもほとんどなく、カーテン1枚で仕切られた空間に長期間暮らすというのは、想像以上にストレスがかかります。
加えて、船内の空調や水回り(トイレ・シャワー)の環境に不満を感じる人も少なくありません。
「シャワーの水圧が弱くて寒かった」「共有トイレが常に混んでいて不便だった」といった声がよく聞かれます。長期間の航海では水の使用も制限されることがあり、湯船にゆっくり浸かれる機会は基本的にありません。
さらに、通信環境も快適とは言い難く、Wi-Fiは有料かつ通信速度がかなり遅め。SNSや仕事で常時インターネットが必要な人にとっては、かなり不便に感じるでしょう。
そして、天候や海の状態によっては揺れが大きく、船酔いに悩まされる人も少なくありません。特に初めての航海では「ずっと揺れていて気持ち悪かった」「寝ている間も揺れで起きた」などの声もあり、体調管理が想像以上に大変になることも。
このように、ピースボートの船内生活は“最低限の生活環境”が前提とされており、ホテルのような快適さを求める人にとっては、現実とのギャップが大きく後悔につながることがあります。
他のクルーズに比べてピースボートは後悔しやすい?
ピースボートは「格安で世界一周ができる」「誰でも参加できるオープンな雰囲気」が魅力ですが、「思っていたのと違った」「もっと調べてから選べばよかった」と後悔する人が一定数いるのも事実です。
ここでは、他のクルーズに比べてなぜピースボートは後悔しやすいのか、その理由を深掘りしていきます。
価格が安い分期待値とのギャップが生じやすい
ピースボート最大のセールスポイントは、「他のクルーズより圧倒的に安い」こと。商業クルーズで世界一周をしようと思うと300万〜500万円以上かかるところ、ピースボートなら最安プランで100万円台から世界一周が実現できます。
ただし、この価格の安さが、逆に“誤解”を生むこともあると考えます。
多くの人は「安いけど、それなりに快適なのでは」と無意識に期待してしまうものです。けれど実際には、設備やサービスは最低限、豪華な食事やエンタメはほとんどありません。(※”最低限”の設備サービスとは書きましたが、しっかりした設備です)
他のラグジュアリークルーズで提供されるような設備や豪華な食事、上質なサービスをイメージしていると、想像とのギャップで「こんなはずじゃなかった」と感じる可能性が高くなります。
さらに、前述の通り、寄港地ツアーなどの追加料金が想定より高くつくケースも多く、総合的なコスパや満足度を感じられない人もいるのが実情です。
旅の“目的のズレ”が起きやすい
ピースボートは非常に多様な人が集まる場です。
若者、高齢者、主婦、フリーランス、学生、リタイア組まで、参加者の属性や動機はバラバラです。そのため、旅に対するスタンスや価値観のズレが起こりやすいといえます。
たとえば、「バックパッカー的に世界の街を見て回りたい」という人と、「平和活動に参加したい」「学びと議論の場を求めている」という人では、船内での興味や過ごし方がまったく異なります。にもかかわらず、同じ船で数ヶ月過ごすわけですから、互いに理解し合えないまま気まずくなるケースもあります。
中には「もっと観光を楽しみたかったのに、講演や勉強の時間が多くて疲れた」と感じる人もいれば、「社会問題について真剣に考えたかったのに、周囲は観光気分で浮かれていた」という人も。
このような“温度差”によってストレスが生まれやすくなるのは、ピースボート特有の特徴といえるでしょう。
明確な目的意識がないまま「なんとなく参加」してしまうと、そうしたズレに対応できず、後悔しやすくなります。
客層の多様さゆえに人間関係で疲れることがある
先述した通り、ピースボートは年齢層・職業・人生経験などが非常に幅広いです。それ自体はとても魅力的な点でもあるのですが、同時に“文化的衝突”が起きやすい環境でもあります。
たとえば、「朝から晩までテンションの高い若者グループ」「誰彼かまわず政治談義をふっかけてくる人」「場の空気を読まずに語り続ける人」など、通常の旅では距離を置ける人たちとも、同じ船内で毎日顔を合わせることになります。
また、グループや派閥のようなものも自然とできやすく、「輪に入れなかった」「浮いてしまった」と感じる人も少なくありません。特に内向的な人、集団行動が苦手な人にとっては、“船内という閉鎖空間”での人間関係が大きな負担となることもあります。
こうした状況は、他の商業クルーズでは比較的起こりにくく、ピースボート特有のコミュニティ文化ともいえます。
人間関係のストレス耐性に自信がない人は、参加前にその雰囲気をしっかりリサーチしておくことが重要です。
最悪や後悔だけじゃない!リピーターも多いピースボートの魅力
ピースボートには「最悪」「後悔した」といった否定的な声もありますが、その一方で、「また乗りたい」「人生観が変わった」と語るリピーターも非常に多いです。
ここでは、実際に参加した人が「参加してよかった」と感じた魅力的なポイントを、体験ベースでご紹介します。
ピースボートの魅力①世界一周が比較的リーズナブルに実現できる
まず最も大きな魅力は、世界一周という非日常の体験が手の届く価格で実現できるということ。一般的なクルーズでは、100日以上の航海に300~500万円以上かかるのが通常ですが、ピースボートでは100万〜200万円程度で参加できるプランも用意されています。
もちろん、船内の設備やサービスは豪華客船ほどではありませんが、「何十カ国も巡る体験」「赤道越え」「世界の主要都市や小さな寄港地に立ち寄れる旅」は、他ではなかなかできない体験です。
また、飛行機では味わえない“移動そのものを楽しむ旅”という点も、クルーズならではの醍醐味。日常生活では見ることのない水平線、海に沈む夕日、夜の星空…。そんな“ゆったりとした時間”が流れる日々が、参加者の心を豊かにしてくれます。
「コスパ重視だけど、中身の濃い世界一周をしたい」という人にとって、ピースボートは唯一無二の選択肢と言えるでしょう。
ピースボートの魅力②人生の転機になる
ピースボートが“旅”にとどまらず、“人生の節目”として語られる理由のひとつが、人との出会いと価値観の変化です。
船にはさまざまなバックグラウンドを持つ人たちが乗っています。学生、会社員、子育てを終えた女性、退職後に参加した高齢者…。普段の生活ではなかなか接点のない人と、何週間も同じ空間で生活することで、深い関係性が生まれやすくなります。
「同年代の友達とは話せないことを、船の中で初めて打ち明けられた」
「生き方に迷っていたけど、自分より自由に人生を楽しんでいる人たちに刺激を受けた」
「この旅がきっかけで働き方・生き方を見直すきっかけになった」
…など、人生の方向性や価値観に影響を受けた人は多く、なかにはピースボートでの体験をきっかけに起業したり、NPO活動を始めた人もいます。
世界を見て視野を広げたことで人生が変わったという人もいます。
日常から切り離された空間で、じっくりと人と話し、自分のことを振り返る時間が持てる――それが、ピースボートが「人生が変わる旅」と言われる所以なのです。
ピースボートの魅力③自分を見つめ直す時間が得られる
忙しい毎日のなかで、自分と向き合う時間を確保するのは意外と難しいものです。
しかし、海の上で過ごすピースボートの旅には、スマホやSNSからもある程度離れ、ゆっくりと自分を見つめ直す余白があります。
船内では、さまざまなジャンルの講演やセミナー、ディスカッションが開催され、旅をしながら“学ぶ”という特別な体験が可能です。テーマは環境問題、平和教育、世界の文化、ジェンダー、医療…など多岐にわたり、知的好奇心を刺激してくれるプログラムがそろっています。
また、語学交流会や趣味のワークショップ、ヨガ、ダンスなどのサークル活動も盛ん。興味のあることに気軽に挑戦でき、自己理解や新しいスキルの発見にもつながるでしょう。
誰かと比べることなく、時間に追われることもない場所で、「自分って何が好きなんだろう?」「これからどう生きたいんだろう?」と考えることができるのも、ピースボートならではの価値なのです。
ピースボートで後悔しないためにしておくべき5つの注意点
「楽しそう」「お得そう」といったイメージだけでピースボートを選んでしまうと、あとから「思っていたのと違った…」と感じる可能性があります。
実際、事前にしっかりと準備をしておくだけで、満足度は大きく変わります。ここでは、後悔を避けるために押さえておきたい5つの注意点をご紹介します。
ピースボートで後悔しないために①パンフレットや体験談を読み込みリアルを把握する
ピースボートに限らず、旅行や留学、ツアーなどに申し込む際には、パンフレットや公式サイトの情報だけで判断してしまいがちです。
しかし実際には、それらの情報は“魅力的な部分だけを切り取った表現”であることが多く、良い面しか見えない状態で参加を決めてしまうと、現地で「こんなはずじゃなかった」と落胆するリスクがあります。
特にピースボートの場合、船内の生活環境、参加者の雰囲気、寄港地ツアーの内容、食事、通信環境など、事前のイメージと現実にギャップが生まれやすい要素が多々あります。
たとえば、「船内でWi-Fiは使える」と書いてあっても、実際は速度が非常に遅く、使える時間帯が限られていることも。「自習時間がたっぷり」と書かれていても、部屋にこもるのが難しいほど他人との距離が近い環境だった…ということも。
そこでおすすめなのが、実際に参加した人の体験ブログや口コミ、YouTubeなどの動画レポートを複数チェックすることです。
「楽しかったこと」だけでなく、「困ったこと」「トラブルになりやすい場面」など、ネガティブな情報もしっかり拾っておくと、参加後の“覚悟”が違ってきます。
理想を抱くことは大切ですが、現実を把握しておくことはもっと大切です。
「知らなかった」では済まされない数ヶ月の長旅だからこそ、あらかじめリアルを知っておくことで後悔をグッと減らせるはずです。
ピースボートで後悔しないために②自分の目的を明確にしてお金を掛ける優先順位を決める
ピースボートは、“ただの世界一周クルーズ”ではありません。
社会課題に触れる学びのプログラム、寄港地での文化体験、船内の人間関係を深める交流イベントなど、「何を目的に旅するのか?」によって過ごし方が大きく変わるのが特徴です。
だからこそ、乗船前に「自分はこの旅で何を得たいのか」を明確にすることがとても大切です。
例えば、「観光が目的なら寄港地のツアーに費用を多めに使う」「学びに力を入れたいなら、講演のラインナップを事前にチェックしておく」「人間関係でストレスを感じやすいなら、部屋のグレードを上げて一人時間を確保する」など、目的に応じて優先順位を決めましょう。
費用を抑えたいあまりに、自分の希望に合っていないところで我慢を続けてしまうと、それが積み重なってストレスや後悔に繋がります。
「絶対に譲れない条件」「できれば叶えたいこと」「妥協できる部分」を仕分けしておくだけで、予算の使い方も的確になります。
「学びも交流も、旅も全部やりたい!」という方もいるかもしれませんが、全てを完璧にこなそうとすると疲れてしまうことも。だからこそ、自分のペースで「この旅の軸は何か」を意識しておくことで、より満足度の高い時間が過ごせます。
ピースボートで後悔しないために③どの部屋タイプが合っているか慎重に選ぶ
部屋の選択は、ピースボートでの旅の“快適度”を大きく左右する要素のひとつです。
特に船上ではプライベート空間が限られるため、部屋選びに失敗すると数ヶ月間、常にストレスを抱えることになりかねません。
ピースボートの部屋タイプは大きく分けて、4人相部屋、2人部屋、個室(バストイレ付き)など複数あります。
最も安価な相部屋プランは費用面では魅力的ですが、他人との生活リズムや性格の相性が合わない場合、気を遣う毎日になることも多いです。特に、いびきや生活音、片付けの習慣などはトラブルの元になりやすいポイント。
また、「ただ寝るだけのスペース」と考える人もいますが、長期間の航海中は体調不良で寝込む日や、1人で静かに過ごしたい日も出てきます。そんなときに居心地の良い空間が確保されているかどうかは、旅の満足度に直結します。
もちろん、部屋をグレードアップすれば費用は上がりますが、「人間関係のストレスを減らす投資」として考えれば、十分に価値のある選択です。
特に「自分の時間を大切にしたい人」「他人と長時間いると疲れやすい人」には、できるだけプライベートが保てる部屋を選ぶことをおすすめします。
ピースボートで後悔しないために④政治的な要素があることも理解しておく
ピースボートは、他のクルーズ船と異なり、単なる観光旅行ではなく「国際交流」や「平和活動」を掲げたNPOが運営する旅です。
そのため、旅の中ではしばしば政治・社会問題に触れる機会があり、中立的な娯楽旅行を期待していた人にとっては戸惑いを感じる場面もあります。
たとえば、戦争や原爆に関する講演、世界の貧困や環境問題に関するディスカッション、NGO関係者との意見交換など、“学び”や“気づき”を重視した内容が船内で展開されます。
このような取り組みは、社会課題に関心がある人にとっては非常に価値のあるものですし、人生観を変えるきっかけにもなります。しかし一方で、「純粋に旅がしたかった」「政治や思想に触れるつもりはなかった」という人にとっては、「場違いに感じた」「価値観を押しつけられているようだった」と感じるケースも少なくありません。
また、ピースボートの参加者の中には政治的な活動に熱心な人もおり、会話の中で思想的な話題が頻繁に出ることもあります。こうした文化に馴染めるかどうかは、人によって大きく異なるでしょう。
だからこそ、「ピースボートは思想的な側面を含む旅である」ことを理解したうえで参加することが大切です。パンフレットにはあまり強調されていない部分ですが、参加前に調べておけば、必要以上に驚いたり、ストレスを感じたりすることを避けられます。
ピースボートで後悔しないために⑤周りに無理に合わせなくてOKという意識を持つ
ピースボートの船内では、連日さまざまなイベントやワークショップが開催されています。
語学クラス、社会問題に関する講座、フリーマーケット、ダンスやヨガ、映画上映、カラオケ大会など、ジャンルは本当に多岐にわたります。
これらのプログラムは基本的に自由参加です。しかし、乗船してみると「周囲が参加しているから自分も出ないといけないかも…」というプレッシャーを感じる人もいます。
特に初乗船の人ほど、「コミュニティに馴染まなきゃ」「浮かないようにしないと」と、必要以上に周囲の目を気にしてしまう傾向があります。
けれど、イベントに参加しない=楽しんでいない、ということではありません。むしろ、自分のペースで船内を過ごす方が、心地よく、旅そのものを深く味わえることもあります。
「今日は誰にも会わずにデッキで読書」
「イベントに行かずに昼寝を満喫」
「気が向いたらふらっと顔を出す」
…そんなゆるやかな関わり方でも、十分に価値のある旅になるのがピースボートです。
無理に誰かに合わせたり、予定を詰め込みすぎたりせず、“自分に合った旅のスタイル”を貫くことが、長旅で疲れないための重要なポイントです。
ピースボートがベスト?他の選択肢と比較して考えよう
ピースボートは、世界一周を比較的リーズナブルに体験できる貴重な選択肢ですが、全員にとって最適な旅の形とは限りません。旅の目的、予算、スタイル、過ごし方などによって、他の方法のほうが合っているケースもあります。
ここでは、ピースボート以外の旅の方法と比較しながら、それぞれのメリット・デメリットを整理していき、「自分にとって本当に合っている旅のかたちは何か?」を見つけるヒントをお伝えします。
ピースボート以外の選択肢①他の世界一周クルーズ旅行
最初に挙げられる選択肢として、他の世界一周クルーズがあります。
たとえば、プリンセス・クルーズ、コスタクルーズ、MSCなどのクルーズは、“快適さ”と“非日常の贅沢”を提供する旅です。
豪華な客室にバルコニー付きの個室、プールやジム、本格的なレストラン、エンタメショーまで揃っており、ホテルに滞在するような感覚で世界を巡ることができます。
それに比べると、ピースボートは設備がシンプルで、客室の多くが相部屋、アメニティも最低限。「ラグジュアリーさ」は少ないですが、その分、交流や学び、出会いが中心となる“人間味のある旅”が体験できます。
また、一般的にな世界一周クルーズはサービスの均一性が高く、乗客同士の関わりは比較的希薄。一方でピースボートは、あえて交流を促す仕組みが多数あり、「仲間と過ごす旅」「共に作る旅」という色が濃いのも特徴です。
そのため、「船旅をリゾートのように楽しみたい人」には他の世界一周クルーズが合っていて、「人との出会いや内面的な気づきを求める人」にはピースボートがフィットする傾向があります。
ピースボート以外の選択肢②飛行機等でのバックパック旅
自由気ままな旅を求めるなら、バックパック旅行や一人旅も大きな選択肢のひとつです。
特にアジア・ヨーロッパなどの地域は、安宿や交通の選択肢も豊富で、自分のペースで計画を立てられる柔軟さが最大の魅力です。
「今日はこの街に泊まって、気が向いたら次の町に移動」「誰にも縛られずに観光も食事も自由にしたい」——
こうした旅は、予定に縛られない分だけ、予想外の出会いや経験が生まれるチャンスも多いです。
ただし、そのぶんトラブルへの対応や現地での交渉、語学の壁、安全面の配慮などもすべて自己責任になります。初めて海外に出る人、長期間の旅行に不安がある人にとっては、ハードルが高く感じられるかもしれません。
その点、ピースボートは「手配がすべて済んでいて、同行者もいる」という安心感があります。「自由度は少し下がっても、サポートが手厚い方が安心」という方にはピースボートが向いていると言えるでしょう。
ピースボート以外の選択肢③短期のスタディツアー
「国際的な経験をしてみたいけど、いきなり数ヶ月の航海はハードルが高い」という方におすすめなのが、短期のスタディツアーや海外ボランティアです。
最近では、大学生向けだけでなく、社会人向けのプログラムも増えており、1週間〜2週間の期間で海外に渡り、教育支援や医療、農業体験、国際交流を行うツアーが多数開催されています。
JICA(国際協力機構)やNGO、NPO団体などが主催しているプログラムは、現地の人との交流を重視しつつ、安全性やスケジュールがしっかり設計されているため、初めての海外体験にもぴったりです。
また、こうした短期プログラムに参加することで、「自分はどのくらい海外でやっていけそうか」「どんな旅のスタイルが向いているか」を見極めることもできます。
特に、ピースボートに興味はあるけれど不安も大きい人にとっては、“お試し的な位置づけ”として非常に有効な選択肢です。
「ピースボートしかない」と思わず広い視野で旅の形を選ぶ
ピースボートは確かに、他にはない魅力を持つユニークな旅の形ですが、「世界一周=ピースボート」しか選択肢がないわけではありません。
旅はもっと自由で、自分に合った形を選んでいいもの。予算、期間、目的、性格に合わせて「自分にぴったりな旅のスタイルは何か?」を見つめ直すことが、満足度の高い体験につながります。
無理をして周囲に合わせたり、流行に乗って選んだりするのではなく、「自分はどうありたいか?」という視点で選択することが、後悔のない旅をつくる第一歩になるのです。
まとめ:ピースボートで後悔しないために大切なこと
ピースボートの旅には、良くも悪くも“クセ”があります。だからこそ、参加する前にしっかりと情報を集めて、自分に合っているかどうかを見極めておくことが、後悔しないための大前提です。
実際、「最悪だった」「後悔しかない」と感じる人の多くは、事前の下調べが不足していたり、「世界一周」という言葉のイメージだけで決めてしまったケースが目立ちます。
逆に、リアルな体験談や船内生活の実態をきちんと把握した上で参加した人は、「思っていた通りだった」「大変なことも含めていい経験だった」と前向きに受け止めている傾向があります。
ポイントは、「自分にとって何が大事か」を明確にしておくこと。
旅に求めるものが“快適さ”なのか、“自由”なのか、“出会いや学び”なのかによって、ピースボートが合うかどうかも変わってきます。
また、部屋の選び方や費用感、人間関係の距離感、イベントへの関わり方など、ちょっとした選択の積み重ねが、旅の印象を大きく左右します。
つまり、ピースボートで後悔するかどうかは、乗ってからではなく、乗る「前」に決まっているとも言えるのです。
準備を怠らず、自分に合った旅のスタイルを冷静に見極めておけば、ピースボートはきっと“唯一無二のかけがえのない時間”になるはず。
情報を集め、心構えを整えて、理想と現実のギャップを埋めておく——それだけで、旅の満足度は大きく変わります。
ピースボートを楽しめるかどうかは、あなた次第。準備と見極めさえできていれば、「乗ってよかった」と思える旅になるはずです。
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